地震保険の支払い対象は?
地震保険の支払対象となるのは、建物の「主要構造部」における損害です。たとえ建物の共有物であっても、エレベーターや高架水槽などは「個々の設備」に含まれ、補償の対象にはなりません。
支払対象になるもの 支払い対象にならないもの
基礎、屋根、柱、梁、外壁など 給排水管、電気温水器、 高架水槽、エレベーター、 玄関ドア、サッシなど
「主要構造部」に一定以上の損害が生じた場合に、3段区分に応じて支払われます。 「個々の設備」の破損に対しては、主要構造部に該当しないので支払われません。
《主要構造物とは》=建築基準法施行令第1条第3号=
構造耐力上主要な部分 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう


要約すると「住む上で建物に必要な強度を保つための構造部」ということです。

マンションは地震火災被害が大!
消防活動能力の低下による延焼
大地震のときは消防活動能力が極度に低下してしまうため、延焼により大きな損害となりがちです。阪神大震災ではマンション内からの出火だけではなく、近隣からの炎症によって全焼もしくは全焼に近い損害を受けたマンションが多く見られました。火に強い鉄筋コンクリート造だからといって、地震に対しては安心することはできません。
集合住宅であることが裏目に
鉄筋コンクリート造のマンションは、地震で倒壊するリスクは木造の戸建住宅より小さいかもしれません。しかし、多くの人々が住む集合住宅のため、火を使う時間帯が重なると火災発生のリスクは高まり、地震発生のタイミングによっては火災の被害は戸建住宅よりはるかに大きくなる可能性があります。
地震火災の補償は「地震保険」だけ
耐震構造もしっかりとしたマンションには、地震保険など必要ないと思っている方が少なくありません。しかし、一般の火災保険では、地震火災による損害は補償されません。地震被害を補償してくれる唯一の保険が「地震保険」です。