大規模修繕その前に!
知っておくべき驚きの実態。
「いま積立金の値上げをしなければ、次の大規模修繕ができなくなります」と突然、管理会社から修繕積立金の値上げを勧められる管理組合が増えています。計画通りに修繕積立金を毎月払っていて、滞納者もいないのに、いつの間にか資金不足になっているのです。販売しやすいように分譲時に修繕積立金が低く設定されていることが主な原因ですが、定期的に見直しを行っていても、工事単価が不明瞭だったり、工事項目が不足していたりするケースも多く見受けられます。ここ数年は震災復興やオリンピック特需で工事費が上がっていて、修繕積立金不足の問題は更に深刻になっています。だからと言って安易な積立金の値上げは得策ではありません。個人の負担が大きいため、値上げしようとすれば当然反対が起きます。では、値上げ以外に積立金不足を解決する方法はないのでしょうか?
修繕積立金ムダ遣いの最大原因はこれだ!
修繕から4年で外壁塗装が剥がれだした…
あるマンションの元理事長から相談を受けました。内容は「1回目の大規模修繕から4年で外壁塗装が剥がれてしまった。施工会社に連絡を取ったところで既に倒産している。何とか最小限の補修で済ませられないだろうか?」というものでした。原因は窓サッシ下部の水切りにありました。一般的な水切りの出巾は外壁面から20~30mm必要ですが、このマンションは約半数の窓水切りの出巾がほとんどゼロだったのです。これでは剥がれて当然です。
同じ費用をかけても、結果が大きく変わる!
設計監理方式では、長期修繕計画で予定されている工事を行うのではなく、建物の状況やマンション生活を踏まえた上で、概算工事金額書を作成し工事の内容を決めていきます。そのため、設計事務所が行う調査・診断、設計の精度が工事費に大きく影響してきます。その精度が低いと、追加工事が発生したり、資金不足で工事が途中で中断したりします。(※1)先日もある管理組合から報告いただきましたが、設計ミスで6千万円の追加工事があったそうです。工事はメーカーが販売する白物家電のように10あれば10すべて同じようにはいきません。同じ費用をかけても結果が大きく変わります。
そこで今回のセミナーでは、組合員の皆様がコツコツ積立てている大切な修繕積立金をムダにしないために、設計、施工の失敗事例とその対策を中心に、値上げ以外の修繕積立金不足の解決策をご紹介します。建築に詳しくなくても理解・活用できる内容です。
今回のセミナーでお伝えすることの一部をご紹介すると…
- ✔️ 修繕積立金ムダ遣いがこんなに!?~調査・診断、設計編
- ✔️ 修繕積立金ムダ遣いがこんなに!?~施工編
- ✔️ 長期修繕計画にきちんと反映されている?意外な盲点。設備関係の維持費
- ✔️ 工事費が3倍掛かる!?シーリング工事の注意点
- ✔️ 見落とし、施工漏れ、施工不良を断固阻止。今注目の修繕周期15年システムとは?
その他、国土交通省の補助金を活用して、お得に断熱改修工事を実施した事例もご紹介します。
※1概算工事金額書と実数精算方式について
大規模修繕では管理組合が予算化しやすいように、建物調査・診断を行い、劣化数量を想定値で設計して概算工事金額書を作成します。しかし、実際の工事費は、工事が始まって仮設足場を設置した後に施工会社が全面調査を行い、管理組合・設計事務所がその算出量を承認した上で確定させます。その差額を精算することを「実数精算方式」と呼びます。
前回の大規模修繕セミナーでは、予定工事費の3割にも満たない状況で大規模修繕と耐震改修工事を実現させた管理組合の取り組みをご紹介し、その工事後に市場価格が平均22%も上昇したことをお伝えしました。現在、政府は既存住宅流通市場の活性化を推進しており、今以上に、修繕に対する価値観が高まり、自分たちのマンションを魅力的にしていこうという意識が浸透していくはずです。きちんとメンテナンスされたマンションが価値を持つ時代になっていきます。その一助として本セミナーをお役立ていただけますと幸いです。セミナーに参加される方は今すぐお申込みください。